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| やさしい歯科知識 |
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8020運動
8020運動は、従来の母子中心の虫歯予防を主体とした歯科保健対策から、高齢化社会における歯と健康とのかかわりを見つめ、生涯を通じた口腔の健康づくりのために平成元年に提唱されたものです。20年を超える国民運動となっています。
この運動は当初「80歳で失う歯を10本以下にすること」が提案されましたが、喪失歯より残存歯を対象とすることになり、80歳で20本の歯を残す「8020運動」の誕生となったものです。ここでいう80歳で20本の意味は、おおむね20本の歯が保たれていれば、大抵の食品を咀嚼(かみくだく)のに差し支えないとされていることによるものです。現在我が国では、80歳以上で8020を達成した方は26.8%おられます。昭和62年当時の7%と比べると大きな進歩です。平均本数も昭和62年の4本から9.8本と増加しています。
超高齢化社会を迎えて「8020運動」の効果は著しいものがあります。
さらに最近の口腔の健康に対する関心度の高さをみると、8020社会の実現もまんざら夢ではなさそうです。
長い間、疾患に対しては予防活動が重要視されてきました。しかし、近年、予防は当然のこととして、さらに積極的に″健康づくり″に努めようとする、予防志向から健康志向へと大きな変化がみられます。すなわち、80歳になっても自分のことは自分で処理できる健康生活を目標とするものです。そして20歯の確保を目標としながら、高齢者が生涯自分の歯でおいしく食事をし、生き生きした心豊かな生活が送れるようにするための運動で、単に歯を残すことだけを目的にしたものではないわけです。
いわば生活の質の改善を目標とした運動ととらえていただきたく思います。
一度この機会に、ご自分の歯を確かめられ、今後の口腔の健康管理に十分ご注意ください。 |
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歯の多いお年寄りは活動的
自分の歯がたくさん残っているお年寄りほど、生活自立度が高いことが、70歳以上の男女300人に対して行われた調査で証明されています。「主に自分の歯だけで食べられる」という人のほとんどが、「一人でどこへでも出かけられる」と回答しており、「すべての歯がなく義歯なし」の人では、約3分の2のお年寄りが「家から出ない・寝たきり」または「家の近所まで出るだけ」と回答しています。また家族や親類以外につきあっている友人の数は、20本以上自分の歯をもっている人は16人に対して、0本の人は8人で、歯のよいお年寄りほど行動範囲も広く、友人も多いということがわかります。
歯の老化は全身の老化よりも一歩早くやって来るようです。しかし個人個人の歯の健康に対する関心度の程度に大きく影響され、手入れの善し悪しによって随分その差がついてしまいます。現在日本人の平均寿命は男性79.59歳、女性は86.44歳で女性は25年連続で世界第一位、男性は5位という長寿国となっています。しかし、ひと口に長生きといっても、″健康な長寿″でなければなりません。歯を失うことによる、口の機能の低下はさまぎまな生活環境に悪影響を与え、食事の楽しみを奪うばかりか、張りのあるはつらつとした顔貌を奪い、会話にも影響します。
特に噛(か)むことは、唾液の分泌促進による食物の消化吸収率の向上、ムシ歯予防、肥満防止、認知症防止、精神安定などに大きく関与し、成人病の予防につながります。成人病はある日突然起こるものではありません。
残念ながら自分の歯が少なくなった方でも、義歯の装着によって噛む機能や顔貌、会話は充分回復します。
どんなことでも歯科医院にご相談ください。口の健康は、若さを保つ秘訣です。 |
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歯周病の予防と治療
歯を失う二大疾患は虫歯と歯周病(歯槽膿漏)で壮年期以降は歯周病で歯を失う人が大多数である。歯周病は歯そのものの疾患ではなく、歯肉(歯茎)、歯根膜、歯槽骨など歯を支える組織の病気で、プラーク(歯垢・細菌の塊)が歯の周りに付いて炎症が起き、歯肉が腫れ、歯を支えている顎の骨がなくなります。そして歯と歯肉の境目にいる細菌の感染が原因で、細菌と体の防御機能のバランスの崩れた時に発病し、歯を支えている組織が破壊され、歯を失うことになります。遺伝性の素因も関与し体を守る機能が遺伝的に弱い人では若年者でも発病します。「若いころ歯は良かったのに」と嘆かれる方が多くありますが、歯周病は虫歯とはちがいます。歯周病の特徴は「沈黙の病気」と呼ばれることです。歯肉から血が出る、食べたものが挟まる、歯がグラつくが痛くない、冷たいものがしみる、そして大したことがないと思っているうちに徐々に進行します。かなり進行しないと気づかないものです。100歳で1本も歯がなくても我々はべつに不思議には思いませんし、歳を取ったら歯はなくなるものというのが日本人の常識になっているようです。しかし決してそうではありません。
80歳で20本以上自分の歯を保つのは不可能ではありません。治療は患者さん自身の歯ブラシによる歯垢の除去と専門家による定期的な指導と管理です。完全な治癒は難しくても症状を改善して維持させることはできます。そして予防はまず自分の健康は自分で守るという強い意志を持つこと。そして患者さんと歯科医師の共同作業であるということです。 |
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食べる喜び
平成元年から始まった8020運動(80歳まで長生きして20本以上の歯を残して楽しく食事を)を実践され8020を達成された人の生活における共通点は▼子供のころからあまり甘いものを摂取しなかった ▼しっけが厳しかった ▼早期治療に注意した ▼かかりつけの歯科医がいた…等となっています。しかし、現在は8010が実態で、国民に8020が達成されるのは、2050年ごろと予測されています。しかしこれは今までのやり方での予測で方法を工夫すれば、もっと早く達成するのは間違いありません。そのためには「よく噛(か)んで食ベる」「歯垢清掃」「かかりつけ歯科医の定期検診」が必須条件になり、これにより全身の健康、ひいては「認知症」の防止になります。朝日新聞の「老いじたく考」に”少しでもかみ合わせが悪いとか、どこかが痛むようなときは、何度でも歯科医に治してもらうべきだと思う。
ものが噛めなければ義歯とはいえないのだから、あきらめずに、義歯であっても何でも食べようという気持ちをもつことが大切だ。老いじたくの中に、最後まで自分の歯でものが食べられるように、手入れを忘れないこともぜひ加えておきたい。私はそれに失敗して、何本も自分の歯を失った。だから一層、自分の歯の大事なことが身にしみる″と生活評論家の吉沢久子氏がご自分の体験から歯の大切さを訴えています。皆さんも「口の健康」を見直してください。 |
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歯の衛生週間
現在実施されている歯の衛生週間の目的は「歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して普及啓発するとともに、歯科疾患の予防に関する適切な習慣の定着を図り、併せてその早期発見及び早期治療等を徹底することにより、歯の寿命を延ばし、もって国民の健康の保持増進に寄与することを目的とする」となっています。
この歯科保健対策は昭和3年に6月4日を「ムシ歯予防デー」と定められたのが最初で、その後、昭和33年に「歯の衛生週間」となり、現在に至っています。
従前の「ムシ歯予防デー」では妊産婦、乳幼児等に対する母子歯科保健活動に主眼がおかれていましたが、昭和58年以降は、成人及び高齢者に対する歯科保健対策が実施されるようになっています。現在でも、子どもさんのムシ歯予防に主眼のおかれた運動と認識される傾向にありますが、今では生涯を通じた歯の健康づくりを進め、8020運動のより実践的な展開を図るため地域に根ざした運動の展開がその大きな目標であるわけです。したがって口腔の健康対策は0歳からスタートし、乳幼児から高齢者まで、生涯を通した口腔衛生について考えていただくための運動といえます。
西宮市歯科医師会では、6月初旬に西宮歯科総合福祉センタ−(西宮市甲子園洲鳥町3−8 電話41−2031)にて、口腔診査と無料フッ素塗布・歯科保健指導相談・展示等の各種催し物の開催をいたします。
この機会に口腔の健康について、どんなことでも気軽にご相談においでください。 |
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ブラッシング(歯磨き)
大昔、人間には歯を磨く習慣はありませんでした。
しかしながら、それ程多くむし歯や歯周病(歯槽膿漏)で悩まされることも無かったようです。それは、自然の硬くて繊維質に富んだ食物を良く噛みながらとることによって、歯、歯肉、あごが鍛えられ、ひとりでに予防していたからです。
ところが文明の発達は、食生活に影響を与え、自然食から調理食、さらに人工食へと変化し、生きるための食から味わうための食へと変わっていったのです。食生活の進歩は、逆に人類の口、特に歯と歯肉に破壊的な影響を与えてきました。そして、江戸時代まで、歯の傷みから逃れるためには、歯を抜いてしまう以外に方法はなかったのです。
医学の進歩と文化の発達によって、今日では、口腔の健康と正しい食生活が全身の健康にいかに大きく関わっているかが強く認識されるようになり、健康な食生活に直接的に影響する歯の存在とそれをいかに守るべきかを考える必要にせまられています。歯科医学の進歩は目覚ましいものがあります。しかし、治療した歯は永久にもつものではありません。私達が、本当にむし歯や歯周病(歯槽膿漏)から歯をまもるためには、何をすればよいのか、答えは簡単です。最も効果的な方法は日常の毎食後と就寝前の歯磨きの徹底が最も良い結果をうみだします。
なぜなら、むし歯も歯槽膿漏もともに細菌の感染により発生するものだからです。歯や歯肉に存在する細菌の徹底的な除去は歯磨きによる機械的清掃が最も効果的です。特に就寝前のブラッシングは、重要で、不潔なままで眠ると確実にむし歯や歯周病の原因細菌の繁殖を促します。治療医学から予防医学への転換、ブラッシングはその先鋒といえるでしょう。 |
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キシリトールって何?
最近ガムやタブレットなどに甘味料としてキシリトールが使用され多くの製品が販売されています。キシリトールは食品添加物として使用が認可されたもので、フィンランドでは古くから白樺の樹液に含まれる天然甘味料として使用されていました。キシリトールはこのほかイチゴやラズベリーやバナナ等の果実やレタス、タマネギ、ニンジンなどの野菜にも含まれています。キシリトールは糖分であるのに酸を生成しません。酸の生成状態は蕉糖を100とするとキシリトールは0を示します。このため歯のエナメル質を犯さずむし歯の原因にはならないとされています。パラチノースやソルビトールなど、むし歯になりにくいとされている甘味料も長期間摂取し続けると口腔内の細菌が順応して砂糖と同様に酸を生成することが知られています。しかしキシリトールは長期間摂取し続けても、口腔内の細菌は全く順応しないことが多くの研究から実証されています。さらに歯垢と細菌そのものを減少させる働きも持っています。またキシリトールには抗菌作用をもつ唾液の分泌を催す働きもあります。
このことは子どもの幼弱な歯において、唾液中のカルシウムが取り込まれ歯の硬度を高めます。キシリトールとは別に大豆タンパクの中に多く含まれているグリシンというアミノ酸はミユータンス菌の活動を抑え、増殖阻止作用をもっており、大豆を原料とする食品の摂取は有効です。またエナメル質を強くする働きがあるフッ素はイワシなどの魚類や海藻、牛肉に含まれています。また歯や歯ぐきを保護するものとしてお茶に含まれているタンニンが有効とされています。このように、かしこく食べて上手に歯を磨くことが重要です。 |
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口臭について
口臭とは、不快な臭いのある呼気のことです。
だれにでも相手に不快感を感じさせない程度の生理的な臭いはありますが、口臭は臭いの性質(揮発性硫黄化合物)が異なり、相手に不快感をあたえます。
そしてその大半は、口腔内に原因があります。
すなわち不十分な口腔清掃、放置されているむし歯、歯周病(歯槽膿漏)、不適合となった充填物や、金属冠等の口腔内の悪い環境によることがほとんどです。従って口臭の大半は、歯科治療と歯ブラシによる口腔清掃の徹底により解決します。
また、意外に知られていない原因に空腹時の口臭があります。何も食べてないから口臭は無いはずと思われがちですが、食事をすることは、歯や舌を機能させ唾液の分泌も促し、噛むことで唾液が口腔内を浄化し、口臭を知らない内に予防してくれています。 規則正しい食事と食後の歯磨きも口臭予防に大変重要です。
しかし、まれに他の器官(鼻・肺・胃・呼吸器など)の疾患が原因の場合もありますので、口腔内の原因とは考えられない場合は、それらの検査を行う必要も生じます。
現代社会においては、老若男女を問わず人と人とのコミュニケーションに会話はつきものです。しかし残念ながら、会話時に本人は気づかないまま、他人に口臭による不快感を及ぼしている場合が多々あります。これは全く本人に自覚がない場合が多く始末が悪いものです。お互いに口臭に悩まされることなく、楽しい会話ができれば、本当にすばらしいことだと思います。
最近の歯科治療では、この口臭の原因と対策についても取り上げられております。口臭でお悩みの方は、一度歯科医院で相談してください。 |
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顎関節症
口が開きにくい、物を噛む時に痛みを感じる、顎の関節付近で音がする。これらの症状はいわゆる顎関節症の3大兆候といわれています。またこれらの症状に付随して頭痛、耳鳴り、めまい、肩凝り等の症状を呈することもあります。このように顎関節症は症状が複雑なことが他の疾患と違う大きな特徴です。
臨床的には、一般に慢性的な経過と症状の軽減、憎悪を繰り返します。発生年齢は10代から多くなり、20〜30代と40〜50代にピークが見られ、一般に女性の方が多いようです。病因は一つではなく、種々の原因が複雑に関連して症状を引き起こしています。
病因の代表的なものとして、咬み合わせの異常(不適合な補綴物やむし歯の存在による偏った咬合・偏咀嚼)、ストレスと関与するといわれる歯軋り、くいしばりによるもの、顎関節の構造自体の異常によるもの等があげられます。
診査としては、全身的な既往歴(リュウマチや他の関節症状の有無)や症状の経過、生活の様子、咀嚼筋方の触診や顎の運動機能や咬み合わせの診査、レントゲン検査、場合により筋電図検査等が行われます。
治療法としては、保存的療法と外科的療法に分けられます。ほとんどの症例は保存的療法で改善します。
咬み合わせの異常に対しては、咬み合わせの調整、適切な補綴物装着やむし歯の治療、薬物療法、理学療法、スプリント療法等が行われ、精神的なものには精神療法、生活指導等が必要な場合があります。外科的療法としては、注射療法や観血的療法があります。顎関節症の予防は、日ごろからの咬合についての定期的な診査が重要です。気になる症状があれば、歯科医院でご相談ください。 |
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