(6)-「ブラッシング(歯磨き)」
 大昔、人間には歯を磨く習慣はありませんでした。
 しかしながら、それ程多くむし歯や歯周病(歯槽膿
漏)で悩まされることも無かったようです。それは、自
然の硬くて繊維質に富んだ食物を良く噛みながらとる
ことによって、歯、歯肉、あごが鍛えられ、ひとりで
に予防していたからです。
 ところが文明の発達は、食生活に影響を与え、自然
食から調理食、さらに人工食へと変化し、生きるため
の食から味わうための食へと変わっていったのです。
食生活の進歩は、逆に人類の口、特に歯と歯肉に破壊
的な影響を与えてきました。そして、江戸時代まで、
歯の傷みから逃れるためには、歯を抜いてしまう以外
に方法はなかったのです。 医学の進歩と文化の発達
によって、今日では、口腔の健康と正しい食生活が全
身の健康にいかに大きく関わっているかが強く認識さ
れるようになり、健康な食生活に直接的に影響する歯
の存在とそれをいかに守るべきかを考える必要にせま
られています。歯科医学の進歩は目覚ましいものがあ
ります。しかし、治療した歯は永久にもつものではあ
りません。私達が、本当にむし歯や歯周病(歯槽膿漏)
から歯をまもるためには、何をすればよいのか、答
えは簡単です。最も効果的な方法は日常の毎食後と就
寝前の歯磨きの徹底が最も良い結果をうみだします。
 なぜなら、むし歯も歯槽膿漏もともに細菌の感染に
より発生するものだからです。歯や歯肉に存在する細
菌の徹底的な除去は歯磨きによる機械的清掃が最も効
果的です。特に就寝前のブラッシングは、重要で、不
潔なままで眠ると確実にむし歯や歯周病の原因細菌の
繁殖を促します。治療医学から予防医学への転換、ブ
ラッシングはその先鋒といえるでしょう。