(3)-「歯周病の予防と治療」
昨年の医療ルネッサンス(広島県)で「歯周病の予
防と治療」がとりあげられた。歯を失う二大疾患は虫
歯と歯周病(歯槽膿漏)で壮年期以降は歯周病で歯を
失う人が大多数である。歯周病は歯そのものの疾患で
はなく、歯肉(歯茎)、歯根膜、歯槽骨など歯を支え
る組織の病気で、プラーク(歯垢・細菌の塊)が歯の
周りに付いて炎症が起き、歯肉が腫れ、歯を支えてい
る顎の骨がなくなります。そして歯と歯肉の境目にい
る細菌の感染が原因で、細菌と体の防御機能のバラン
スの崩れた時に発病し、歯を支えている組織が破壊さ
れ、歯を失うことになります。遺伝性の素因も関与し
体を守る機能が遺伝的に弱い人では若年者でも発病す
ることがあリます。「若いころ歯は良かったのに」と
嘆かれる方が多くありますが、歯周病は虫歯とはちが
います。歯周病の特徴は「沈黙の病気」と呼ばれるこ
とです。歯肉から血が出る、食べたものが挟まる、歯
がグラつくが痛くない、冷たいものがしみる、そして
大したことがないと思っているうちに進行します。か
なり進行しないと気づかない。100歳で1本も歯がなく
ても我々はべつに不思議には思いませんし、歳を取っ
たら歯はなくなるものというのが日本人の常識になっ
ているようです。しかし決してそうではありません。
前々回でも述べましたように、80歳で20本以上自分
の歯を保つのは不可能ではありません。治療は患者さ
ん自身の歯ブラシによる歯垢の除去と専門家による定
期的な指導と管理です。完全な治癒は難しくても症状
を改善して維持させることはできます。そして予防は
まず自分の健康は自分で守るという強い意志を持つこ
と。そして患者さんと歯科医師の共同作業であるとい
うことです。