(20)-「歯固めに想う」
  テレビで穏やかな全国の正月風景を見ていますと、
福岡県の鰯町の「歯固め」が紹介されていました。正
月に「いわしの丸干し」と「大板の拍子切り」を、
「歯固め」として食べると、その一年健康で過ごすこ
とができるといわれるもので、健康はまず歯からとい
う考え方です。また、読売新聞にも、昔の正月の行事の 一つに、「歯固め」があり、源氏物語にも出ており、 鏡餅やダイコン、ウリ等を食べて長寿延命を願っている と記載されています。また、今でも地方によっては、 鏡開きを歯固めと呼び、固い餅をかみ切ることのできる 丈夫な歯こそ、長生きの秘訣と考えていると紹介して います。
 歯は健康の番人ということです。歯の2大疾患は歯
周病と虫歯で、中でも歯周病は様々な全身の病気に影
響を及ぼします。重症の歯周病が心臓血管疾患や、低
体重児出産の原因になりえるということはよく知られ
ています。
 歯周病の原因はプラーク(歯周病菌の巣)です。こ
れらの細菌と全身疾患との関係は、口腔内の細菌が他
の臓器に感染していく歯性感染症で、実際に脳、肝臓
の患部から口腔細菌が見つかることもあります。また、
老人の肺炎を引き起こす呼吸器性病原菌が、歯周病患
者のプラークから検出されることや、胃の疾患の病原
菌が口腔内から検出されている例もあり、プラークが
これら菌の貯蔵庫とも考えられます。
 このように歯周病は全身の健康に大きな影響力を持
っています。食生活の不摂生や不潔な口腔内、喫煙な
ど好ましくない生活習慣の変革が必要です。
 今年は、口の健康を取り戻してください。