(16)-「女性ホルモンと歯周病」
 女性は平均的に男性より長寿です。しかし、歯の平
均寿命は男性55.1年に対し、女性53.2年と女性の方が
短いのが現実です。なぜ女性の歯は男性よりも短命な
のでしょうか。それは、どうやら女性特有の生理と関
係がありそうです。女性ホルモンが歯周組織に影響を
与えがちなところに原因があるようです。
 40歳代後半になると、女性は肩凝り・冷え性・腰痛
・頭痛など、さまざまな更年期の障害に悩まされるこ
とがあります。これらの多くは女性ホルモンの変化と
関連しています。口の中も同様で、閉経後は性ホルモ
ンの分泌の衰えとともに、歯肉の細胞の活性も衰えて
きます。皮膚が齢と共にハリを失い荒れていくのと同
じ状況が、歯肉にも起こり、それだけ抵抗力が低下し、
細菌が増殖しやすくなって歯周病にかかりやすくなり
ます。中年からは骨租しょう症にもなりやすいといわ
れますが、これは骨がスカスカになり脆くなる病気で
す。歯周病は、歯を支えている組織、歯槽骨などが破
壊される病気です。骨が脆くなって、吸収しやすくな
っているところへ、歯周病菌が繁殖するなど歯周病へ
の条件が重なると、歯周病にかかる危険率は非常に高
くなります。
 また、閉経の前後から、だ液の分泌が悪くなります。
だ液の分泌が少ないと歯肉が傷つきやすく、歯肉炎を
引き起こしやすくなります。自浄作用や抵抗力が低下
し口腔内の環境が悪くなって、歯周病になりやすくな
ります。さらに、成人病などで薬を常用している場合
は、その薬に、だ液分泌抑制作用をもつものもありま
す。
 中年以降の女性は特に歯周病にかかりやすいリスク
を多くかかえていますので、歯科医院での定期的な管
理が必要です。