(14)-「義歯安定剤の功罪」
義歯を支えている歯茎(歯肉)は、長年にわたる咬
むカや老化により萎縮し、少しずつ痩せて低く小さく
なってきます。最初ぴったりして良く噛めた義歯もだ
んだん緩くなり、外れやすくなったり、内側に食べ物
が入るようになってきます。この歯茎の変化は個人差
がありますが、一般的には義歯を装着し4〜5年ぐらい
に多く見られます。
歯茎の変化を早く知リ、義歯を正しく機能させるた
めには、1年に一度は定期検診を受けて調整すること
が必要です。早いうちなら、調整や裏打ちをするだけ
で、簡単に元のような義歯の安定が得られます。緩ん
でガタついている義歯をそのまま使用していると、義
歯が短期間に歯茎を吸収させ、萎縮も進み、ますます
噛めなくなります。
最近義歯がガタついたり、痛くて噛めないことで、
市販の義歯安定剤を使ってしのいでいる人が少なくな
いようです。義歯安定剤は、義歯と歯茎の間に生じた
隙間を埋める材料で、一時的に義歯のガタつきを抑え
たり、クッション作用によリ痛みも抑えるようですが、
均一に隙間を埋めることが難しく、逆に歯茎を萎縮さ
せたり、義歯が傾いたり、噛み合わせが狂ってしまい
顎の関節に悪影響を及ぼすこともあります。
義歯安定剤は、新義歯が出来るまで、あるいはしば
らく通院ができないときなどのあくまで応急処置とし
て用いるべきものでしょう。老化が進むと、歯茎を覆
う粘膜も萎縮し、厚みの減少や弾力性の低下、唾液の
分泌量や噛む力の低下がひどくなり、義歯にとって不
利な条件が多くなります。さらに誤った義歯安定剤の
使用はこれらの不利な条件をますます増幅することに
なります。義歯安定剤を使う前に歯科医院で相談して
みて下さい。そして年一回は定期検診を受けて下さい。