(13)-「小児の歯について」
小児の歯は小児期の口の機能及び口腔・顔面の形態
を正しく育成することにあります。すなわち、子供が
吸う・咬む・呑む・話すといった機能を正しく獲得し、 これらの機能を通して健康な永久歯の歯並びと咬み
合わせになるように育てることです。乳歯は生えてい
る間にさまざまな役割を果たし、子供の成長と発達に
深くかかわっています。
例えば、もし急に怪我や虫歯で前歯を失うと話がし
にくくなります。これは、発音に歯が利用されている
からです。小児の言語発達は5歳ごろまでに完成しま
す。したがって、幼児期に歯が欠けたり、抜けたりす
ると、発音発達への影響はもちろんのこと、舌や唇に
悪い習癖を誘発することがあります。また、乳歯は一
般に6歳ごろから10歳ごろにかけて、前歯から小臼
歯の順に永久歯に交換します。これらのメカニズムは
交換の時期に乳歯の根が溶けて吸収し、その下に準備
されている永久歯と自然に交換するようにプログラム
されています。このプロセスが乳歯の虫歯や早期喪失
により障害されますと、永久歯が正しい位置に生えな
かったり、乳歯がいつまでも居座り永久歯が生えにく
くなったりします。乳歯はこのように、永久歯のため
の発育の調節もしています。
そして歯で咳むということは、咀嚼器官、とくに筋
肉や顎骨の発達に大きく関与します。小児の顎や顔の
発達は出産後から思春期を過ぎるころまで続いていま
す。したがって乳歯や永久歯による発達刺激が長く不
足すれば、顔の発達や歯並びの形成、身体成長にも悪
影響をおよぼします。乳歯が機能している小児期は、
身体のすべての面で、活発な成長発育が見られる時期
です。子供の歯の大切さを改めて認識してください。