(1)-「8020運動」
 8020運動は、従来の母子中心の虫歯予防を主体とし
た歯科保健対策から、高齢化社会における歯と健康と
のかかわりを見つめ、生涯を通じた口腔の健康づくり
のために提唱されたものです。この運動は当初「80歳
で失う歯を10本以下にすること」が提案されましたが、
喪失歯より残存歯を対象とすることになリ、日本人の
平均寿命である80歳で20本の歯を残す「8020運動」の
誕生となったものです。ここでいう20本の意味は、お
おむね20本の歯が保たれていれば、大抵の食品を咀嚼(かみ くだく)のに差し支えないとされていることによるも
のです。しかし、現実は60歳で20歯以上もつ人は40%
80歳では僅か7%であり、80歳の平均歯数はたったの5
本です。
 これからみても「8020運動」の実現はまことに厳し
いものがあります。
 しかし、最近の口腔の健康に対する関心度の高さを
見ると、その実現もまんざら夢ではなさそうです。
 長い間、疾患に対しては予防活動が重要視されてき
ました。しかし、近年、予防は当然のこととして、さ
らに積極的に″健康づくり″に努めようとする、予防
志向から健康志向へと大きな変化がみられます。すな
わち、80歳になっても自分のことは自分で処理できる
健康生活を目標とするものです。そして20歯の確保を
目標としながら、高齢者が生涯自分の歯でおいしく食
事をし、生き生きした心豊かな生活が送れるようにす
るための運動で、単に歯を残すことだけを目的にした
ものではないわけです。いわば生活の質の改善を目標
とした運動ととらえていただきたく思います。
一度この機会に、ご自分の歯を確かめられ、今後の口
腔の健康管理に十分ご注意ください。